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埼玉に帰省した次の日(2018.8.7)。
前々回にちょこっと書いたけど、ぼくはひとり実家で留守番。
ちょうどいい、を考える。 - とむやんの氣まぐれ雑想記
昼過ぎ、せっかくなので周辺を散歩してみることにしました。
ぼくが育った埼玉県川口市は、かつては鋳物の街として知られていました。
でももう、『キューポラのある街』と言っても、若い人は知らないみたい。
吉永小百合さんのデビュー作映画ですからね、無理もないか。
実際、たくさんあった鋳物工場はマンションなどに姿を変えて。
(1947年には703の工場があったそうです)
今はベッドタウンになり、昨年12月には人口が60万人を突破したんだそう。
昨年末に帰省したときに、駅の横断幕に「祝」の字を見て、ちょっと複雑な心境。
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正直言うと、ぼくはこの街が好きじゃなかった。
早く出たいと思いながら、結局人生の大半を過ごしてしまいましたけど。
母の喫茶店を手伝うようになって、結婚して子どもができて。
それからようやく、ぼくはなんだかんだ言ってもこの街が好きなのかもな、って。
不思議なもので、そう想い始めていた頃にあの地震があって、離れることになって。
縁あって滋賀に移り住んで、川口には年に2~3度は帰省しています。
滋賀はすごく好きだけど、「ただいま」って言いたくなるのはやっぱりこの街なんだな。
もちろん、好きになったから何でも許せる、ってわけじゃないですけどね。
滋賀に移り住んで余計に感じるのは、川口で子育ては、はっきり言ってしんどかった。
子どもが安心して遊べるところが本当に少ないと思います。
母とも、そんな話をよくします。
川口市は鋳物の街としてだけじゃなく、植木の街としても有名だったのです。
その割には、街に緑が少な過ぎると思います。
安行という地域が「植木の四大生産地」で、駅周辺は関係ないと言えばそうなのですが。
ただこれに関しては、日本全体としても言えること。
特に今年の、災害として認識されるほどの猛暑を考えたら、都市部の農地や緑地を増やしていくことはもっと検討されるべきで。
植木の街として有名な安行のある川口市が、それを率先してやってくれたら。
とは思うのですが、「中核市」となった今では、残念ながらあまり期待できそうにないですね。
(都市部に緑を!は、最新号のあまいろだよりの中野和子さんの文章を是非読んでみてください)
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前置きが長くなってしまいました。
実家は、川口駅と川口元郷駅のちょうど真ん中あたりにあります。
川口駅とは反対方向、川口元郷駅方向へ歩いていきました。
川口のおもしろいところは、結構古い建物などが残っていること。
文化財的なものもありますが、どちらかというとバラックのような。
若いときはイヤだったけど、今はそういうところがあると嬉しくなります。
芝川に架かる中の橋からの写真。
何となく、自分にとって最近の典型的な「The 川口」、みたいな。
これだけ見ると、「隙間がないなぁ」って思っちゃいます。
でも実際には、まだまだ下町的な場所も所々にあったりして、残っててほしいな。
十二月田(しわすだ)という、難読な地名があるのですが、そっち方面に歩いて。
お目当ての、「ベーカリージロー」に到着。
(ちなみに、ここは末広という町名になります)
昔ながらの、な感じの佇まい。
存在は知ってはいたけど、初めて入ってみました。
3時くらいだったので、パンはほとんど残っていませんでしたが。
いい意味で素朴な味、美味しかったです。
別の道を通って、引き返します。
あまり馴染みのない道を通ってみたり。
よく通った道沿いの公園にも、ちょこっとだけ寄ってみました。
小さな公園だけど、結構大きめの木が何本かあって。
いつも通り過ぎるだけだったけど、お氣に入りの場所です。
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建設中だったり、新しくできた建物の前を通ると、「あれ?ここって前なんだったっけ?」ってこと、よくありますよね。
川口では、ビックリするくらいその連続です。
実際、今回歩いているときにすれ違った親子からも、その台詞が聞こえました。
ぼくが子どもの頃よく遊んだ駐車場は、今はアパートに。
CDを買いによく行ったレコード屋さんも、ずいぶん前になくなって。
ステキなお店が増えたり、便利になったり、それはそれで嬉しいことなのですけどね。
ちょっと淋しくなったりします。
その淋しさってなんだろう?と、歩きながら考えていたら。
「リスペクトを感じられないから」じゃないかな、って。
木を伐るにしても、建物を壊すにしても、何だかすごく「軽々しい」氣がします。
「国を愛する」なんて意気盛んなことを言うのもいいけど、それってもっと身近なところから見ていった方がいいのに、って思ったり。
そういえば、[respect]の語源って「振り返って見る」、なんですって。
「軽視しない/注目する」ってことが、リスペクトの第一歩。
リスペクトについては、書きたいことがあるのでまた改めて。
今回、歩いてみて思ったのは。
意識していろいろ見ていくと、イヤなところもたくさん見つかるんです。
でもだからこそ、愛着も出てくるし、敬愛の念につながったりする。
そこに「目を瞑る」だけっていうのは、ちょっと違うんじゃないか。
自分は長年この街から「目を背けて」いたから、余計にそう感じます。
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そうそう、「(ARTISAN)FARMERS MARKET KAWAGUCHI」というのがあるんですね。
この週末、11日と12日の二日間、大泉工場にて。
川口でファーマーズマーケット、しかも有機野菜をフィーチャーしているみたいで。
11日はカフェ・ド・アクタで《ABC》なので、12日に行けるかな。
11日、もう明日ですね。
13時から18時の間、出入り自由ですので、どうぞお氣軽に。
最後に改めて。
今回も川口に帰ってこられて、本当によかったです。
ありがとう。
せれんでぃっぽ☆とむやん