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歌をつくりたい。
ギターを弾き始める前から、漠然とそう思っていたはず。
音楽にハマったきっかけはビートルズだったから、やるなら「自作自演」と思って。
(その前に聴いていたエルビス・プレスリーは、自分には「聴く」音楽だった)
ギターを弾くようになって、コードもいくつか覚えて。
でも、理論的なことは全然わからなかった頃。
歌をどうやってつくるのか皆目見当もつかず、できる氣がしなかった。
それから20年ほど経って。
ぼくのメインの楽器は、ギターからウクレレに変わって。
レッスンなんかもする中で、音楽理論も独学でちょっとはわかるようになってきて。
でもやっぱり、曲はつくれないまま。
オリジナルソングをつくれるようになった大きなきっかけは、実はある「思い込み」が外れたから、かもしれない。
それは、「完璧につくらなければいけない」ということ。
作詞作曲に限らず、この思い込み(強迫観念と言ってもいい)には、さまざまなところで苦しめられてきた。
最初から完璧なものができるはずがない。
それならそれで、不完全なものでもいいからつくってみればいいのだけど。
「自分にはできる」という、根拠のない自信、みたいなものが必要だったのかも。
その頑固な強迫観念は、2つのことをきっかけに、段々と縛られなくなった。
そして、曲がつくれるようになった。
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きっかけのひとつが、小説を読んでいたときのこと。
文庫本を読み終えてふと、最後の文章に目が留まった。
【単行本に加筆・訂正し、文庫化したものです】
(写真はその当時に見つけたものとは別、念のため)
そうなのか。
いや、そうだとは何となく知ってはいたのだけど、あまり意識していなかった。
これを知った(意識した)途端、何だかすごく「楽」になった。
プロの、実際単行本として刊行されたものに、(文庫化に際して、とはいえ)後で加筆修正をしている。
もちろん、作家さんによってその程度はさまざまだろうし、本当に必要最低限、ということもあるだろう。
同時期に、音楽の方でも同じようなことがあることを知った。
ぼくがトライセラトップスにハマったのは、『スターライト スターライト』という曲のMVに出逢ったのが最初。
余談だけど、実は何年も前にテレビで『GOING TO THE MOON』を聞いたことがあって氣になっていたのに、そのときはスルーしてしまっていた…。
(今みたいにネットで氣軽に調べたりできなかったから、というのもある)
もっと早く、トライセラを知っていたらと思うけれど、後の祭り。
まあ、それはともかく。
その『スターライト~』、実はリリース版の前に「仮の歌詞」があったらしく。
それをレコーディングする前に、ライブで歌ったことがある、と知った。
そうして、つくるなら「完璧」に、というぼくの中の壁は崩れた。
とにかくつくってみて、それから考えよう。
そうしてできたのが、『まつろわぬもの』という曲。
これに関しては、歌詞は結局今まで変更なし、できている。
ただ、メロディーはところどころ後で修正した。
これまでの20曲で、「よし、完成」と思ってから一度も加筆修正していない曲は、『よりそうる』だけかもしれない。
加筆修正は賛否両論あるだろうし、何なら「否」の方が圧倒的に多いかもしれない。
けれど、その縛りがあったままでは、ぼくは曲はつくれなかった。
曲のタイプにもよるけど、何度も歌ってみてやっと違和感に氣付く場合とか。
練習では大丈夫、と思っても人前で歌ってみてみないとわからないこととか。
修正、とはちょっと違うかもだけど、先日も『向町』を向町カフェで披露したとき。
人前で歌ってみたら、「Keyが自分に合ってない」と氣付けた。
あと、「弾けるようになりたい」と、思ってもみなかった反応をもらって。
サビにテンションコードを使っていたのを、簡単に弾けるように変更することにした。
他の具体的な話は、次回に書くことにしよう。
今回はこの辺で。
せれんでぃっぽ☆とむやん