お題「私の一人暮らし」
★
「ひとり暮らし」について、ということですが。
よく考えたら、「ひとり暮らし」ってしたことがない、かもしれない。
20代前半まで、ずっと実家暮らし。
20代後半は少しだけ山梨の富士吉田にいたことがあります。
そのときは友人とのシェアハウスというか、居候状態だったので。
あれはあれで、感慨深いものがあるのですけどね。
その後、結婚して妻の家での「マスオさん状態」が始まります。
そして、震災から半年後、そこを離れて滋賀に来たわけです。
で、今に至る。
「ひとり暮らし」、したことないなぁ。
と、それで終わってしまうと、何のために書いたかわからなくなってしまうので。
強いて言うなら、滋賀に移住前の二ヶ月間が、「ひとり暮らし」に一番近かった。
ちょっと強引ではありますが、今回はそのことを振り返ってみることにします。
★
と、その前に。
先日、とあるミーティングに参加したときのこと。
打ち合わせも何となく終わって、ゆったりとした時間の中での雑談。
友人が、「これまで、実家を出て暮らしたことがない」と言うので、このお題のことをぼくはすぐ連想したのです。
そこから話は発展して、そこにいた人それぞれの「今に至る経緯」を聞く流れになったりして。
普段、わざわざ聞いたりしない話題だから、すごく興味深かったなぁ。
振り返る機会があることで、案外自分でも意識していなかったことが出てきたり。
人の半生の話を聞くというのも、なかなかないことなので、貴重な時間でした。
それに、3月11日が近かったこともあったからなのか。
東日本大震災と、あの日を基点にした話が自然と出てきました。
あの日を境に、やはり多かれ少なかれ影響があって、誰もが人生観変わったりして。
そういうことが、何かしら共有できたのも、すごくよかった。
★
そんなわけで、ぼくの話も震災があったあの日から、振り返ります。
ちょっと前にも、3.11を振り返って、ブログを書きましたが。
あの日あの時間、ぼくは長男と家にいました。
パソコンで何かをしていたとき、だったと思います。
夜になって、福島第一原子力発電所が事故を起こしたと知りました。
あの頃はまだ家にTVがあって、TV番組やパソコンからの情報をとにかくチェック。
余震があると長男は怖がって、ぼくの傍に駆け寄ってくる、そんな日々が続きました。
計画停電だったり、街の混乱だったり。
原発事故が起こったことの絶望感だったり。
妻はそのとき、次男がお腹にいたこともあって、ぼくたちはいろいろ考えました。
できれば移住、でもともかく出産だけでもどこか別の場所で。
その後も地震は頻繁にあったし、そもそも「東京周辺で暮らしていくこと」にいろいろな面でもう限界を感じていました。
そして、紆余曲折あって。
2011年夏に開催された「アースデイしが7.03」のときに、滋賀に来ました。
栗東のさきらにはたくさんの人、けれどそのときのぼくたちは、つながりほぼゼロ。
関東で仲よくなった友人一家と、その前に滋賀での合宿で出会った人と何人か再会しましたが。
「心援隊びわこ」に助けていただいて、イベント後に貸してもらう予定のアパートを見せてもらったのです。
(それが今、住んでいるアパート)
部屋を見て、その場で二つ返事で借りることにしました。
そして、その部屋に妊婦の妻と、4歳になったばかりの長男を置いて。
ぼくは引っ越し作業のために、埼玉へすぐに戻りました。
★
「ひとり暮らし」的な話をするはずが、だいぶズレてしまっている氣もしますが。
話を戻すと、その二ヶ月の間が、ほぼ「ひとり暮らし」状態でした。
料理するのは基本的に好きだけど、やはり誰かのためにつくらなくていい、となると途端にやらなくなってしまうもの。
(正確には、別の階に義理の母も弟もいましたが)
しかも、あのときは夏真っ盛りだったので、ますます「自堕落」になって。
まあ、毎日ひどい生活をしていたと思います。
ちなみに、このお題は「投稿された中から「一人暮らししてみたい」と思わせる素敵なエントリーに、優秀賞」が与えられるんだそう。
とてもじゃないけど、そんなステキなエントリーからは程遠いです(笑)
それでも何とか、引っ越し作業を終えて、9月頭にぼくも滋賀に越してきました。
「ひとり暮らし」状態は、かえって「好きなこと」ができないものかもしれません。
そうは言いつつ、だいぶ好き勝手はしていたけど、氣力はかなり低下していたなぁ。
引っ越し作業を2ヶ月で、というミッションがなかったら、徹底的に「腑抜けて」いただろうと思います。
滋賀に移り住んでからは。
9月半ばから、長男をシュタイナー系の幼稚園に自転車で送り迎えしなきゃだし。
9月後半には次男が産まれて、家事とかもしばらくぼくがやっていたけれど。
(↑写真は、次男が産まれた日の朝に撮ったもの)
「ひとり暮らし」的なときよりも、大変なことは当然あったはずだけど。
正直、そのときの心境はあまり記憶にありません。
一緒に暮らせる人がいるって、やっぱり幸せだな。
そのときそう思えたかどうかはわからないけど、今なら改めてそう思える。
どちらがいいとか、そういうことではなく。
「ひとり暮らし」も、それはそれで楽しめたらいいですよね。
そのときにしか味わえない経験や学びがあるはずだし、嬉しいことも淋しいこともあるだろうし。
ぼくの場合は、「ひとり暮らし」と呼べるかどうかわからない経験だったとはいえ。
それもまた必要なことでした。
ひとつ言えるのは。
どういう暮らし方にしても、「人とのつながり」というのは大切だってこと。
何を当たり前のこと、と思われるかもしれないし。
人との関係性が煩わしいから「ひとり暮らし」がいいのに、と言うかもしれない。
けれど、「ひとり暮らし」のときこそ、「人とのつながり」のありがたみや重要さを知る絶好のチャンスなんじゃないかな。
「人とのつながり」というのは、何も誰彼構わず会え、ということではありません。
逆に、SNSもTVもOFFにして、〈孤独〉に浸る時間も確保した方がよかったり。
これが、高齢者の「ひとり暮らし」となると、ますます深刻な問題になったりします。
自分自身も可能性としては充分あるわけだから、今から考えてみるのもいいかも。
★
もうすっかり春めた今日この頃。
昨日(2018.3.19)、雨の中を歩いていたら、桜が咲いているのを見つけました。
新しい生活が始まる、という方も多いことでしょう。
何かが「変わるとき」って、不安だったり戸惑いだったり、そういうネガティブなものに支配されそうになることも、もしかしたらあるかもしれません。
けれど一方で、ワクワクできることもたくさんあるはずです。
大変だったとこも、過ぎてしまえば笑い話になったりするもの。
この春、あなたにとって「よい変化」が訪れますように☆
最後はいい感じ風に、無理矢理まとめてみました(笑)
せれんでぃっぽ☆とむやん